翻刻
みな〳〵しうあいれんほ【執愛恋慕】のわりなき” ちきりとは
いひなから” かゝるあはれはまれなるへし” 我には二
せの” きゑんなれは” 又こんにもあひ見なん” なんちは
いまこそかきりなれ” わかれのすかたをよく見よ
とて” いとけなき” わかきみをしかい【死骸】におしそへたり
けれは” しゝたるおやとしらぬ子の此ほとはゝには
なれつゝ” たまにあふたるうれしさに” むなしきち
ふさをふくみつゝ” はゝのむねをたゝくを見て”
上下はんみん” おしなへてみな” なみたをそな
かしける” 《割書:つめ| 》あまはむなしくなりたれと” かしこきせん
きやうはうへんによつて” りうくうかいへうはわ
れしむけ【注】ほうしゆ【宝珠】をことゆへなく” うはひ返し給ふ
【注 むげ(無価)=値段をつけることができないほど高価なこと。または貴重なこと。】