翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

地災撮要. 巻7-9(地震之部) - 翻刻

地災撮要. 巻7-9(地震之部) - ページ 41

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【右丁】 〇法花宗坂本入谷感応【應】寺本堂のみ終に残り其余【餘】不残潰れたれ  と住持【じゅうじ=一寺の主僧】所化【しょけ=僧侶の弟子】奴隷【下男】にいたる迄重き怪我なし門番の家潰れてともに怪  我なし当寺の檀越【だんおち=施主、檀那】八十三軒在りしを家毎に見舞に行しに八十三軒  残らす存命にて家族に至る迄怪我なし吉原の娼家大墨屋金  兵衛も檀家なりしか家潰れすして火事の時無事に立退たれ  は是も又怪我なし当寺にては地震後葬式を執行ひし事なきよし  珍らしき事といへり又或人云市ヶ谷長延寺にも旦家【檀家】数軒ありしか  更に死亡人無しといへり未虚実を訂さす下谷一乗院も葬式なし 〇国【國】家よりの御沙汰として此度の禍に罹りて亡ひ失たる迷魂【迷って浮かばれない亡者の魂】得脱【生死の迷いを脱してさとりを得ること】  の為施餓鬼修行の事を命せられ左の寺院に於て十一月二日に修行 【左丁】  あり《割書:此寺院毎に銀十五枚つゝ|外に十枚つゝを賜りし由》  △天台東叡山学頭【学道(寺院で学問を専らにする僧侶)の頭領の意。諸大寺、諸社の学事を統轄するもの】陵雲院前大僧正△浄土本所回向院△真言  《割書:古義》二本榎高野學侶派在番西南院 同宗白金台【臺】町行人方在番  円満院△真言《割書:新義》浅草大護院△禅宗《割書:臨済派》品川東海寺△同宗  《割書:曹洞派》貝塚青松寺△同宗《割書:黄檗派》本所羅漢寺△日蓮宗《割書:一致派》下谷  宗延寺△同宗《割書:勝劣派》浅草慶印寺《割書:本堂【「所」を見せ消ちにして「堂」を脇書き】潰寺中の少し|残りし所にて修行》△一向宗西本願寺  掛所【かけしょ=真宗(一向宗)の寺院で、地方に設けられた別院。後には別院の資格のない支院を呼ぶようになった】築地輪番与楽寺△同宗東本願寺掛所浅草輪番遠慶寺  △時宗浅草日輪寺院代【いんだい=院家の寺格をもつ寺の住持の職務代行者】洞雲院等也 此日何れも緇素(シソ)【僧侶と俗人】群参し通  夜して誦称名【仏菩薩の名をとなえること】せしも多かりし此余【餘】諸寺院銘々に横死の【思いがけない死】の儔【ともがら】供養  の法筵【仏法を説くための集会の場所】を設く浅草寺は二日三日法恩寺八日谷中法住寺は十二月朔