翻刻
しはらく火勢を進【四字朱で見消し】むることあたわさる【五字朱で見消し】利なるに
如何の窮理や有る火【朱で見消し】勢を塞きて火のきゆるこ【右に追記】と
まゝあり前云 揺働(ヨウトウ)の気にて火気益四方え通する
こともやあるならん不審西洋理学者に問度【四字朱で見消し】ことなれ
御馬預り【三字朱で見消し】諏訪部八十郎西丸下【右に追記】御厩潰れ候節娘を抱のかれ出ん
として夫なりに打潰されたりとのことなりあはれむへし
身一つならはいて有けん親子の情愛思ひやられたること
なり仏説に云【「説の」を見消し朱で三字追記】前世の【朱で右に追記】因縁といふことゝ所思ひ出されし也【朱で下に追記】
普請も近頃出来【二字朱で見消し】たるよしに候得共二階の下住居に成
したり【二字朱で見消し】心得へきことなりき瓦屋根かつは二階下なと
は地震の心掛有たきこと也【「心付へきよしに候」を見消し朱で十一字追記】板屋根の所は多分はつゝかなしとそ
人【見消し】命にかへかたきことなれ普請は【「普請の仕方は」を見消し朱で三字追記】手軽に致し候へきか
辰三月
堀田備中守殿御渡御書付写 大目付御目付え
去年地震以後
公儀にて御礼事等之節当分之内両月番え斗被相越候様
相達置候所最早前々之通老中若年寄中可被相越候尤
引移不相済分は不及其儀候
但両御勝手掛り斗相越候廉備中守伊勢守本多
越中守遠藤但馬守え相越候廉月番之若年寄え可
被相越候
右之通向々え可相達候