東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: 学校教材発掘プロジェクト 1

伊勢物語 - 翻刻

伊勢物語 - ページ 13

ページ: 13

翻刻

【右丁】   今はとてわするゝ草のたねをだに人の心にまかせずもがな かへし   わすれ草うぶとだにきく物ならは思ひけりとはしりもしなまし また〳〵。ありしよりげにいひかはして。をとこ 《割書:新古今》わするらんと思ふ心のうたがひにありしよりげに物ぞかなしき かへし 《割書:同》なかぞらに立ゐる雲のあともなく身のはかなくも成にける哉 とはいひけれど。をのが世々に成ければ。うとく成にけり 廿二【丸で囲む】昔。はかなくてたえにける中。猶やわすれざりけん。女のもとより 《割書:新古今》うきながら人をばえしもわすれねばかつうらみつゝなをそ恋しき と。いへりければ。されはよといひておとこ   あひみては心ひとつを川島のみづのながれてたへじとそおもふ とは。いひけれど。其夜いにけり。いにしへゆくさきの事共などいひて   秋の夜のちよを一よになずらへてやちよしねばやあく時のあらん かへし   秋のよのちよを一よになせりともことばのこりて鳥やなくなん 【左丁 挿絵】