東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: 学校教材発掘プロジェクト 1

伊勢物語 - 翻刻

伊勢物語 - ページ 15

ページ: 15

翻刻

【右丁】 あけ給へとたゝきけれど。あけで哥をなんよみて。出したりける   あら玉(たま)の年(とし)のみとせをまちわひてたゞこよひこそにゐまくらすれ と。いひいだしたりければ   あづさゆみまゆみつきゆみ年をへて我(わが)せしかごとうるはしみ【注①】せよ と。いひていなんとしければ女   あづさゆみひけどひかねどむかしよりこゝろは君によりにし物を と。いひければ。男かへりにけり。女いとかなしくて。しりに立て【注②】をひ 行(ゆけ)とえおひつかで。し水の有所にふしにけり。そこ成ける岩(いわ)におよひ【注③】のち【血】して書付(かきつけ)ける   あひ思はでかれぬる人をとゞめかね我身はいまぞきへはてぬめる と。かきてそこにいたづらになりにけり 廿五【丸で囲む】昔男有けり。あわしともいはざりける。女のさすが成けるがもとに。いひやりける 《割書:古今》秋の野にさゝわけし朝(あさ)の袖(そで)よりもあわでぬる夜ぞひぢまさりける いろごのみなる女かへし 【注① 立派だと褒める】 【注② 後ろについて。】 【注③ および=指】 【左丁 挿絵ゝ】