翻刻
【頭部欄外の附箋】
三ノ二
【左丁】
【本文】
伊勢物かたりよみくせ
▲四十九段いとおかしげとにごるへしうらわかみ此かの字すむべし
▲五十段あだくらべとにこるへし かたと(ヽヽヽ)と読(よも)べしたかいの心也かたみ(ヽヽヽ)とよむは
顔見の事也▲五十五段えうまじう終にわがてにいるましきを云也
ようとよむはあしゝ▲五十八段みやはらとにごるべしすだくと読べしおち
ぼ田づらとにこるべしゆかましとすむべし▲六十段しそうの官人とすむ
べし官人とよみきりてさてめにてとつゝくべし妻とかく也さらす(ヽヽヽ)ばさ
あらすばなり▲六十三段さぶらうと読べし御男をゝんをのこと
よむべし▲六十五段まかてまかんてとよむ也▲六十九段そこにご
させけりとにごるべし▲七十七段めはたかいなからとにごるべし
▲七十八段山しなのせんしのみことよむべし▲八十一段たいじきと
にこるべし▲八十二段やまとうだとにごるへし大和宇だ也その木
のもとこのもとゝよむべしのたまうければとにごるべしかへす〳〵ずうじたまふかへす〳〵とすむべしみねもたひらたひらと読へし▲八十五段
ことだつとにこるべしこほすがごとふりてとにごるべし▲八十七段よみけるそ
このと読べしいざこの山とにこるべしゐなか人はいなかうとゝよむべし
▲九十三段あふな〳〵あうな〳〵と読べし▲九十五段なとしてなんと
してとよむべし▲九十七段おほいまうちきみとにごるへし▲百一[
段]ま
らうとさねとにごるべし▲百八段風ふけばとはにとよむべし
▲百九段こひんとか見しとすむべし▲百十一段とふらふやう
にてとむらふとよむべしさるとにげなくとにごるへし
【左丁】
四十九【丸で囲む】むかし男。いもふとのいとおかしけ成けるを見をりて
うらわかみねよげに見ゆる若草(わかくさ)を人のむすばんことをしそ思ふ
ときこへけり。かへし
はつ草(くさ)のなとめづらしきことのはぞうらなく物をおもひけるかな
五十【丸で囲む】むかし男。ありけり。うらむる人をうらみて
鳥(とり)の子(こ)を十(とを)づつ十(とを)はかさぬとも思はぬ人をおもふものかは
といへりければ
あさつゆはきえ残りても有ぬべしたれか此世をたのみはつべき
またをとこ
ふく風にこぞの桜(さくら)はちらずともあなたのみがた人のこゝろは
又女かへし
行水(ゆくみつ)にかず書(かく)よりもはかなきは思はぬ人を思ふなりけり
またおとこ