翻刻
歌川豊国作
北方(ほつほう)に佳人(かじん)あり一(ひと)たび笑(ゑめ)【㗛は笑の俗字】ばその城(しろ)を傾(かたふ)け二(ふた)たび
歓(よろこ)べはその国(くに)を傾(かたむ)くとす美女(びぢよ)を賞(ほめ)たる詩(からうた)を今の
遊女(ゆうぢよ)の名(な)に呼(よ)ぶを契情(ちぎるなさけ)と更(あらため)しはわが 本邦(ひのもと)
のいさほ【?】しなり或(あるひ)はたはれ女(め)。うかれ女(め)と云(い)ひ或(あるひ)は
傀儡(くゞつ)あそび女(め)と。名(な)はかはれども川竹(かはたけ)の。流(なかれ)のふし
のうき枕(まくら)いづれをいづれ定(さだ)めなくかはす枕の
一夜妻(ひとよつま)げに梵悩(ぼんのう)の虚(うそ)の闇(やみ)実想(じつれう)の誠(まこと)の月(つき)迷(まよ)ふ
も悟(さと)るも此君(このきみ)にして江口(ゑぐち)神崎(かんざき)のむかし行く高尾(たかを)