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第二章 第一節 水道事業沿革 二二
のさいへんな細片なり粘土は砂質にして黄褐色なるを常とすれとも市の西部低地には有機物
を含有し褐黒色なるものあり礫及砂は相混してk川床を成し豊川橋下にては橋脚深
さ四十九尺(川床より深く)まては此等砂礫なりと云ふ猶すな砂は海岸に堆積し厚さ数尺に
達す豊橋市西端大字花田に於ては厚さ数十尺の腐植質粘土地表に堆積す
四、地 下 水
洪積層砂礫層中には褐鐵鑛の小塊若くは薄層を含有し寠砂およ及褐色に染む故
に該当層中aに鑿井せるものは概して井水赤褐色を呈するを常とす即ち不良水の大部
分は此種のものゝ若くは低地の腐植土中のものに属し煮沸するか或は濾過を要する
ものなり加ふるに排水設備不完全なるを以て浅井々水は多く飲用に適切せす
市内の地質は上述せる如く膠結不十分なる砂若くは礫なるを以て地上水或は川
水は容易に地中に浸透し得へし故に河水の容易に参入し得へき川岸若くは低地に
或る沖積土の浅井々水は一般に不良と稱すへし
市内の水位は(中央部海抜二十三尺乃至二十七尺)には二十尺乃至二十四尺東部なる旭町
瓦町及東田の丘陵地(海抜六十尺乃至六十八尺)には三十一尺乃至四十二尺五寸豊橋停車
場以西の大字花田(海抜二十五尺)には九尺乃至十三尺市の北西部に位する松葉小学校
付近(海抜十尺)の低地には二尺乃至四尺なりとす
由是観之水位は平地に最も低く丘陵地に高し而して市内中央部の水位は略河水
面に等しく市の東部及停車場付近は河水面上十二尺乃至三十尺上位に存すること
を知るへし而して井水の性質は概して深井のものを良好とす
豊橋市には深さ二百尺以上の水井三個あり其下底地質は標本無く又柱状地質断
面図保存せられさるを以て明かならさるも一井は市の東方向山に在る石川組製絲
場高距六十四尺の工場内にありて深さ三百六十尺(海面以下二百九十六尺)あり今回其湧
出量を検せしに毎分三・一立方尺(一日六百七十石)湧出し水質良好なり他に二井は市の
西端大字花田日東製氷会社高距十尺の工場内にありて約五間を距て深さ各二百七
十尺(海面以下二百六十尺)あり一日各井より五百石を揚水して涸渇せしことなしと云
ふ又之に隣接せる清水製絲会社にては深さ百四十四尺の水井より毎日約千石の良
水を汲み取り使用すと云ふ其他百尺以上の水井数多ありと稱するも小官の臨検せし
ものにして稍量の良水の湧出するものは左の如し
所 在 地 深さ 一日使用料
山本為三郎(製絲場) 東田舟原四十八 一五〇尺 二四〇石
第二章 第一節 水道事業沿革 二十三