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かのゑしか此ゑをかゝんとてくらまへまいり一七日
こもりきせいを申せしにわらはをゆめにみて
かきたりとてひきたまひ候へはちうしやうゑの
女はうとかのねうはうをみくらへ給へはゑ女はうは
ことのかすにてかすならすいかゝ心つよくまします
そかのねうはう申やうさなきたに女はこしやう
さんしゆ【注①】の五のまき【注②】大はほん【注③】にもとかれたり
一しやふとくさほん天わう二しやたいしやく三
しやまわう四しやてんりんしやうわう五しやふつ
しん【注④】ともとかれたりこつしやう【注⑤】のくもはれやらて
けんねんむりやうこう【注⑥】とて人のねんのかゝる女は
五百しやう【注⑦】かそのあひたうかむ事なしときくなれ
はかすならぬ身をはおしみ申さねとも御身をみ
たてまつるにちゝにもはゝにもひとりこなり御
としもいまた十七にこそならせ給へわらはにとも
なひておはしまさはちゝ大わうしらせ給ひて十日
ともなからへ給ふへからすたゝしかるへくは此事御
とゝまり給ふへし中将の給ふやう御身ゆへに
わらはかいのちをすつる事は露ちりよりもおし
からすしかるへくは御とも申候はんとの給へは此うへは
ちからなしいらせ給へとてくらまのおくそうしやうか
たに【注⑧】のおくに大なる岩あな有ける此所へいりたる
【注① 五障三従のこと。】
【注② 法華経の第五巻のこと。】
【注③ 提婆品(だいばほん)の当て字。「提婆達多品(だいばだったぼん)の略。「妙法蓮華経」巻五の最初の品名。法華経の広大な功徳を讃える提婆品が収められている。】
【注④ 法華経ー提婆達多品のなかに一節。「一者不_レ得_レ作梵天王。二者帝釈。三者魔王。四者転輪聖王。五者仏身」の引用。】
【注⑤ 業障のこと。】
【注⑥ 懸念無量劫】
【注⑦ 五百生=幾度も生まれかわる、非常に長い時間。】
【注⑧ 僧正が谷】