翻刻
かのいはあなのうちへいるよりも月日のひかりの
なけれはちやうやのやみのことしあんけつたう【注①】も
かくやとおもひけるそれを十五日はかりかほととをり
たるとおほしくてみれは大なるくにこそあるらんと
おもふにみやのたまひけるは御身は我につき給ふ
ゆへにくにをも見せまいらせ候へともくるしからす
候とてたかき所へつれてあかりみせ給ふに日本
をいくつあはせてもかくひろくは有へきとおほ
えけるそれよりおもてへゆきみれは大なる川
ありおもしろきはしをそかけたるそれをうち
わたりはるかに行てみれはくろかねのついちを
たかさ十ちやうはかりつきたりおなしくくろかねの
もんをそたてたりけるあれはいかゝととひ給へは
これこそちゝ大わうのそうもんとの給ひてうち
へいりはるかに行てみれはしろかねのついちを
十ちやうはかりにつきておなしくもんをそたて
たりけるこれは中もんなりまたそれを水辺に
行てみれはこかねのついちをおなしことくにみかきて
もんをそたてたるその中をみまはせは心こと
はもをよはすこん〳〵にみかきたりかたはらに
みやのすみかへくしまいらせける中将御らんして
わかてうのみやこはことのかすにてかすならす
【注① 闇穴道】