翻刻
【右丁】
なり元の四千百〇四円を得るなり
米(こめ)四万四千七百九十三 俵(ひよう)を五百六十七 区(く)に分(わく)る時(とき)は一 区(く)
に何程(なにほど)なるや 答 七千九俵
【2個の算珠盤図を挟み上中下】
㋭
㋥ 七九六十三引 七九六十三
㋩ 七七四十九引 六九五十四引 六九五十四 七七四十九
㋺ 六七四十二引 作九五 五九四十五 六七四十二
㋑ 《割書:帰一陪五|五四加四》 五七三十五
【図解の下】
見五
除声(わりごゑ)は総(すべ)て五の段(だん)
の声(こゑ)を用(もち)ひ除(わら)れぬ
時(とき)は作九の五と云
ひ引(ひか)れぬ時は帰(き)一
陪(ばい)五といふ
【図解の左】
除算(わりさん)の術(じゆつ)に曰(いわ)く右図(みぎづ)の如(ごと)く置(お)き法(はう)の首(かし)らの五を以(もつ)て実(じつ)の
首(かし)らの四と見合(みあわ)せ五四加四と云て四を八に作(つく)り此(この)八と法(はう)
【左丁】
の六と見合(みあわ)せ六八.四十八 次(つぎ)の桁(けた)にて引(ひけ)ず仍(よつ)て八の内一を
取(と)り帰(き)一 陪(ばい)五と云て次(つぎ)の桁(けた)へ五を入(い)れ㋑七㋺九となる此(この)
七と法(はう)の六と見合(みあわ)せ六七.四十二を㋺㋩にて引(ひ)き㋺五㋩五
となる又(また)㋑の七と法(はう)の七と見合(みあわ)せ七七.四十九を㋩ににて
引(ひ)き㋩一㋥空(くう)となる又(また)法(はう)の首(かし)らの五を以(もつ)て㋺の五と見合
せ作九の五と云(いふ)て五を九に作(つく)り次(つぎ)の桁(けた)へ五を入(い)れ㋺九㋩
六となる此(この)九と法(はう)の六と見合(みあわ)せ六九.五十四と云て㋩六の
内(うち)五を引(ひ)き次(つぎ)の桁(けた)にて四 引(ひけ)ぬゆへ又(また)残(のこ)りの一を取(と)り四引
て六 残(のこ)ると云て㋥の桁(けた)へ六を入れ㋩空(くう)㋥六となる又㋺の
九と法(はう)の末(すへ)の桁(けた)七と見合(みあは)せ七九六十三を㋥㋭にて引(ひけ)は除(わり)
尽(つき)て七十九 俵(ひよう)と知(し)るなり
現代語訳
【右丁】
となり、元の四千百〇四円を得る。
米四万四千七百九十三俵を五百六十七区に分けるとき、一区に何ほどになるか。
答 七十九俵
【算盤図(2つの算盤図を挟んで上中下に配置)】
㋭
㋥ 七九六十三引 七九六十三
㋩ 七七四十九引 六九五十四引 六九五十四 七七四十九
㋺ 六七四十二引 作九の五 五九四十五 六七四十二
㋑ 《割書:帰一倍五|五四加四》 五七三十五
【図解の下】
見五
除声はすべて五の段の声を用い、割り切れないときは「作九の五」と言い、引けないときは「帰一倍五」という。
【図解の左】
除算の術に言う。右図のように置き、法の最上位の5を以って実の最上位の4と見合わせ「五四加四」と言って4を8に作り、この8と法
【左丁】
の6と見合わせ「六八.四十八」、次の桁にて引けないので8の内1を取り「帰一倍五」と言って次の桁へ5を入れ、㋑7㋺9となる。この7と法の6と見合わせ「六七.四十二」を㋺㋩にて引き、㋺5㋩5となる。また㋑の7と法の7と見合わせ「七七.四十九」を㋩にて引き、㋩1㋥空となる。また法の最上位の5を以って㋺の5と見合わせ「作九の五」と言って5を9に作り、次の桁へ5を入れ、㋺9㋩6となる。この9と法の6と見合わせ「六九.五十四」と言って㋩6の内5を引き、次の桁にて4が引けないので、また残りの1を取り「四引いて六残る」と言って㋥の桁へ6を入れ、㋩空㋥6となる。また㋺の9と法の末の桁7と見合わせ「七九六十三」を㋥㋭にて引けば、割り切れて七十九俵と分かる。
英語訳
【Right Page】
thus obtaining the original 4,104 yen.
When 44,793 bales of rice are divided among 567 districts, how many bales does each district receive?
Answer: 79 bales
【Abacus Diagrams (two abacus diagrams arranged with calculation steps above, middle, and below)】
㋭
㋥ 7×9=63 subtract 7×9=63
㋩ 7×7=49 subtract 6×9=54 subtract 6×9=54 7×7=49
㋺ 6×7=42 subtract make-9 of 5 5×9=45 6×7=42
㋑ 《return-1 multiply-5|5×4 add 4》 5×7=35
【Below the diagram】
"See 5"
All the division calls use the 5-times table; when the number cannot be divided, say "make-9 of 5"; when it cannot be subtracted, say "return-1 multiply-5."
【Left of the diagram】
The method of division states: Place the numbers as shown in the right diagram, use the leading digit 5 of the divisor to match with the leading digit 4 of the dividend, say "5×4 add 4," change 4 to 8, and match this 8 with the divisor's
【Left Page】
6, say "6×8=48"; as it cannot be subtracted in the next digit, take 1 from the 8, say "return-1 multiply-5," enter 5 in the next digit, making ㋑7㋺9. Match this 7 with the divisor's 6, say "6×7=42," subtract using ㋺㋩, making ㋺5㋩5. Also, match the 7 of ㋑ with the divisor's 7, say "7×7=49," subtract using ㋩, making ㋩1㋥empty. Also, use the leading digit 5 of the divisor to match with the 5 of ㋺, say "make-9 of 5," change 5 to 9, enter 5 in the next digit, making ㋺9㋩6. Match this 9 with the divisor's 6, say "6×9=54," subtract 5 from the 6 in ㋩; as 4 cannot be subtracted in the next digit, take the remaining 1 and say "subtract 4 leaving 6," enter 6 into the ㋥ digit, making ㋩empty㋥6. Also, match the 9 of ㋺ with the last digit 7 of the divisor, say "7×9=63," subtract using ㋥㋭, and the division is complete, yielding 79 bales.