東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: 学校教材発掘プロジェクト 6

明治小學塵劫記 卷1 - 翻刻

明治小學塵劫記 卷1 - ページ 30

ページ: 30

翻刻

【右丁】 なり元の四千百〇四円を得るなり 米(こめ)四万四千七百九十三 俵(ひよう)を五百六十七 区(く)に分(わく)る時(とき)は一 区(く) に何程(なにほど)なるや   答 七千九俵 【2個の算珠盤図を挟み上中下】 ㋭ ㋥          七九六十三引   七九六十三 ㋩   七七四十九引 六九五十四引   六九五十四 七七四十九 ㋺   六七四十二引 作九五      五九四十五 六七四十二 ㋑   《割書:帰一陪五|五四加四》             五七三十五 【図解の下】 見五 除声(わりごゑ)は総(すべ)て五の段(だん) の声(こゑ)を用(もち)ひ除(わら)れぬ 時(とき)は作九の五と云 ひ引(ひか)れぬ時は帰(き)一 陪(ばい)五といふ 【図解の左】 除算(わりさん)の術(じゆつ)に曰(いわ)く右図(みぎづ)の如(ごと)く置(お)き法(はう)の首(かし)らの五を以(もつ)て実(じつ)の 首(かし)らの四と見合(みあわ)せ五四加四と云て四を八に作(つく)り此(この)八と法(はう) 【左丁】 の六と見合(みあわ)せ六八.四十八 次(つぎ)の桁(けた)にて引(ひけ)ず仍(よつ)て八の内一を 取(と)り帰(き)一 陪(ばい)五と云て次(つぎ)の桁(けた)へ五を入(い)れ㋑七㋺九となる此(この) 七と法(はう)の六と見合(みあわ)せ六七.四十二を㋺㋩にて引(ひ)き㋺五㋩五 となる又(また)㋑の七と法(はう)の七と見合(みあわ)せ七七.四十九を㋩ににて 引(ひ)き㋩一㋥空(くう)となる又(また)法(はう)の首(かし)らの五を以(もつ)て㋺の五と見合 せ作九の五と云(いふ)て五を九に作(つく)り次(つぎ)の桁(けた)へ五を入(い)れ㋺九㋩ 六となる此(この)九と法(はう)の六と見合(みあわ)せ六九.五十四と云て㋩六の 内(うち)五を引(ひ)き次(つぎ)の桁(けた)にて四 引(ひけ)ぬゆへ又(また)残(のこ)りの一を取(と)り四引 て六 残(のこ)ると云て㋥の桁(けた)へ六を入れ㋩空(くう)㋥六となる又㋺の 九と法(はう)の末(すへ)の桁(けた)七と見合(みあは)せ七九六十三を㋥㋭にて引(ひけ)は除(わり) 尽(つき)て七十九 俵(ひよう)と知(し)るなり

現代語訳

【右丁】 となり、元の四千百〇四円を得る。 米四万四千七百九十三俵を五百六十七区に分けるとき、一区に何ほどになるか。   答 七十九俵 【算盤図(2つの算盤図を挟んで上中下に配置)】 ㋭ ㋥          七九六十三引   七九六十三 ㋩   七七四十九引 六九五十四引   六九五十四 七七四十九 ㋺   六七四十二引 作九の五     五九四十五 六七四十二 ㋑   《割書:帰一倍五|五四加四》             五七三十五 【図解の下】 見五 除声はすべて五の段の声を用い、割り切れないときは「作九の五」と言い、引けないときは「帰一倍五」という。 【図解の左】 除算の術に言う。右図のように置き、法の最上位の5を以って実の最上位の4と見合わせ「五四加四」と言って4を8に作り、この8と法 【左丁】 の6と見合わせ「六八.四十八」、次の桁にて引けないので8の内1を取り「帰一倍五」と言って次の桁へ5を入れ、㋑7㋺9となる。この7と法の6と見合わせ「六七.四十二」を㋺㋩にて引き、㋺5㋩5となる。また㋑の7と法の7と見合わせ「七七.四十九」を㋩にて引き、㋩1㋥空となる。また法の最上位の5を以って㋺の5と見合わせ「作九の五」と言って5を9に作り、次の桁へ5を入れ、㋺9㋩6となる。この9と法の6と見合わせ「六九.五十四」と言って㋩6の内5を引き、次の桁にて4が引けないので、また残りの1を取り「四引いて六残る」と言って㋥の桁へ6を入れ、㋩空㋥6となる。また㋺の9と法の末の桁7と見合わせ「七九六十三」を㋥㋭にて引けば、割り切れて七十九俵と分かる。

英語訳

【Right Page】 thus obtaining the original 4,104 yen. When 44,793 bales of rice are divided among 567 districts, how many bales does each district receive?   Answer: 79 bales 【Abacus Diagrams (two abacus diagrams arranged with calculation steps above, middle, and below)】 ㋭ ㋥          7×9=63 subtract   7×9=63 ㋩   7×7=49 subtract 6×9=54 subtract  6×9=54 7×7=49 ㋺   6×7=42 subtract make-9 of 5    5×9=45 6×7=42 ㋑   《return-1 multiply-5|5×4 add 4》           5×7=35 【Below the diagram】 "See 5" All the division calls use the 5-times table; when the number cannot be divided, say "make-9 of 5"; when it cannot be subtracted, say "return-1 multiply-5." 【Left of the diagram】 The method of division states: Place the numbers as shown in the right diagram, use the leading digit 5 of the divisor to match with the leading digit 4 of the dividend, say "5×4 add 4," change 4 to 8, and match this 8 with the divisor's 【Left Page】 6, say "6×8=48"; as it cannot be subtracted in the next digit, take 1 from the 8, say "return-1 multiply-5," enter 5 in the next digit, making ㋑7㋺9. Match this 7 with the divisor's 6, say "6×7=42," subtract using ㋺㋩, making ㋺5㋩5. Also, match the 7 of ㋑ with the divisor's 7, say "7×7=49," subtract using ㋩, making ㋩1㋥empty. Also, use the leading digit 5 of the divisor to match with the 5 of ㋺, say "make-9 of 5," change 5 to 9, enter 5 in the next digit, making ㋺9㋩6. Match this 9 with the divisor's 6, say "6×9=54," subtract 5 from the 6 in ㋩; as 4 cannot be subtracted in the next digit, take the remaining 1 and say "subtract 4 leaving 6," enter 6 into the ㋥ digit, making ㋩empty㋥6. Also, match the 9 of ㋺ with the last digit 7 of the divisor, say "7×9=63," subtract using ㋥㋭, and the division is complete, yielding 79 bales.