← 前のページ
ページ 100 / 156
次のページ →
翻刻
よ院もいみしうおとろきおほしたりけりかのみここそ
はこゝにものし給入道の宮よりさしつき【注①】にはらうた
う【注②】し給けれ人さま【注③】もよくおはすへしとのたまふ御心は
いかゝものし給らんみやす所はこともなかりし人のけはひ
心はせになんしたしううちとけ給はさりしかとはかな
きことのついてにをのつから人のよういはあらはな
るものになむはへるときこえ給て宮の御事も
かけすいとつれなしかはかりのすくよけ心【注④】におも
ひそめてんこといさめんにかなはしもちゐさらむもの
からわれさかしに【注⑤】こといてんもあいなし【注⑥】とおほしてや
【注① さしつぎ=すぐ次につづく。】
【注② いとおしく、大事にする。】
【注③ 人ざま=人品。】
【注④ 「すくよか(健よか)心」に同じ。すくよかな心。】
【注⑤ 賢しに=一見賢そうに。】
【注⑥ ばつが悪い。】