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つり給はぬなりかつは【注①】さるましきことを御心
ともにつかうまつりそめ給てといひつゝけて左
近少将をせ【責】むあつまりてきこえこしらふる【注②】に
いとわりなく【注③】あさやかなる御そ【衣】とも人〳〵のたて
まつりかへさするもわれにもあらす猶いとひたふ
るにそきすてまほしくおほさるゝ御くしをかき
いてゝ見給へは六尺はかりにてすこしほそりた
れ は(と)【左に「ヒ」と傍記】人はかたはにも見たてまつらす身つから
の御心ちにはいみしのおとろへや人にみゆへきあり
さまにもあら[す]さま〳〵に心うき身をとおほしつゝけ
【注① 且は=同時に。一方では。】
【注② 「聞こえ拵ふ」=あれこれ申し上げてなだめ、説得する。】
【注③ 割なし=どうにもならない。】