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こひしさのなくさめかたきかたみにて
なみたにくもるたまのはこかなくろき【注①】もまたし
あへさせ給はすかのてならし【注②】給へりしらてん【螺鈿】の
はこなりけりすきやう【誦経 注③】にせさせ給しをかたみ
にとゝめ給へるなりけりうらしまのこ の(か)【「の」の左と真ん中に「ヒ」と記入。】心ちな
むおはしましつきたれはとのゝうちかなしけもなく
人を【ママ】おほくてあらぬさまなり御車よせてお
り給をさらにふるさとゝおほえすうとましう
うたておほさるれはとみにもおり給はすいとあや
しうわか〳〵しき御さまかなと人〳〵もみたてまつ
【注① (喪中の)黒い経箱】
【注② 手慣らし=使い慣らし】
【注③ 誦経に対してお布施を差し出すこと。】