← 前のページ
ページ 15 / 156
次のページ →
翻刻
かたになりゆくに空のけしきもあはれにきりわ
たりて山のかけはをくらき【小暗き】心ちするに日くらしな
きしきりてかきほ【注①】におふるなてしこのうちなひけ
る色もおかしうみゆまへの せさい(せんさいイ)の花とも は(は)心にまか
せてみたれあひたるに 水のをといとすゝしけにて
山おろし心すこく松のひゝき木ふかく【注②】きこえわた
されなとしてふたんの経よむときかはりてかね
うちならすにたつこゑ【注③】もゐかはるも【注④】ひとつにあひて
いとたうとくきこゆ所から【場所柄】よろつ事心ほそう見
なさるゝもあはれにものおもひつゝけらるいて給はん心
【注① 垣穂=「ほ」は「秀」の意で、高くつき出ているさまを表わす。垣。】
【注② 木が生い茂っていて奥深い感じである。】
【注③ (交代で)座を立つ僧の声】
【注④ 入れ替わる僧の声も】