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心空なる人はとゝめすほのかにきこゆる御けはひ
になくさめつゝまことにかへるさ【注①】わすれはてぬ中空
なるわさ【注②】かないへち【家路】はみえす霧のまかきはたち
まと(とま)【左に「ヒヒ」と傍記】るへう【注③】もあらすやらはせ給つきなき人【注④】はかゝ
ることこそなとやすらひてしのひあまり【注⑤】ぬるす
ちもほのめかしきこえ給ふに年ころも【注⑥】むけにみ
しり給はぬにはあらねとしらぬかほにのみもてな
し給へるをかくことにいてゝうらみきこえ給をわつ
らはしうていとゝ御いらへもなけれは◦(い)たうなけきつゝ心の
うちに又かゝるおりありなむやとおもひめくらし給
【注① 帰る折。】
【注② どっちつかずの次第】
【注③ 「べし」の連用形「べく」の音便形】
【注④ おぼつかない人。】
【注⑤ 忍び余る=隠しおおせず表面に出る。】
【注⑥ 今迄何年も。】