← 前のページ
ページ 61 / 156
次のページ →
翻刻
女君そい ふ(と)【左に「ヒ」と傍記】つらふ心うきそゝろにかくあたえかくし
ていてやわかならはしそやとさま〳〵に身もつらく
てすへてなきぬへき心ちし給ふやかていてたち給はん
とするを心やすくたいめ【注①】もあらさらむものから人もかく
の給ふいかならむかむ日【注②】にもありけるをもし給(たま)【左に「ヒ」と傍記】さかに
おもひゆるし給はゝあしからむなをよからんことをこ
そとうるはしき心におほしてまつこの御かへりをき
こえ給いとめつらしき御文をかた〳〵うれしうみ給ふ
るにこの御とかめをなむいかにきこしめしたる事にか
秋の野の草のしけみはわけしかと
【注① 「たいめん(対面)」の「ん」を表記しない形。】
【注② 坎日(かんにち)=陰陽家で、万事に凶であるとする日。】