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こゆれとしゐておはしましぬほとさへとをくて入給
ほといと心すこし【注①】ゆゝしけ【注②】にひきへたてめくら
したるきしき【儀式】の方はかくしてこのにしおもて【西面】に
入たてまつるやまとの守いてきてなく〳〵かしこまり
きこゆつまと【妻戸】のすのこ【簀子】にをしかゝり給て女房よひ
いてさせ給ふにあるかきり心もおさまらすものおほ
えぬほとなりかくわたり給へるにそいさゝかなくさ
めて少将の君はまいる物もえのたまひやらす
なみたもろにおはせぬ心つよさなれと所のさま
人のけはひなとをおほしやるもいみしう ◦(て)つねなき
【注① 心凄し=索漠とした感じである。】
【注② 見るからにおそれ慎むべきさま。】