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経のこゑかすかに念仏なとのこゑはかりして人の
けはひいとすくなう木からしのふきはらひたるに
しかはたゝまかきのもとにたゝすみつゝ山田のひた【注①】
にもおとろかす色こきいねとものなかにましり
てうちなくもうれへかほなりたきのこゑはいとゝ
物おもふ人をおとろかしかほにみゝ【耳】かしかまし【注②】うとゝ
ろきひゝく草むらのむしのみそよりところな
けになきよはりてかれたる草の下よりりん
たうのわれひとりのみ心なかうはひいてゝ露
けくみゆるなとみなれいのこのころの事なれ
【注① 引板(「ヒキイタ」の転。流れ落ちる水口に板を当て、板が揺れて鳴り響くように仕掛けたもの。)
【注② かしかまし=(音や声が気にさわって)うるさい。やかましい。】