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さまも所せうあはれなるへきものものはなしものゝあはれ
おりおかしき事をもみしらぬさまにひきいりしつ
みなとすれはなにゝつけて も(か)【左に「ヒ」と傍記】世にふるはえ〳〵し
さもつねなき世のつれ〳〵をもなくさむへきそは
おほかたものゝ心【注①】をしらすいふかひなきものにならひ
たえんもおほしたて【注②】けむおやもいとくちおしかるへ
きものにはあらすや心にのみこめ【注③】て無言太子
とかほうし【法師】はら【注④】のかなしきに【左に「ヒ」と傍記】ことにするむかしのた
とひのやうにあしき事よき事をおもひしりな
からうつもれなむもいふかひなしわか心なからもよ
【注① 物の心=物の道理。】
【注② 生ほし立つ=育てあげる。】
【注③ 籠む=深くしまう】
【注④ ばら=人に関する名詞に付いて、…の如き仲間、階層の人の意を添える。敬意に欠けた表現に使われることが多い。】