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事さしはなれたるなからひにたにあらておとゝなともいか
におもひ給はんさはかりの事たとらぬにはあらしす
くせ【宿世】といふもののかれわひぬる【注①】ことなりともかくも
くちいる【注②】へきことならすとおほす女のためのみこそい
つかたにもいとおしけれとあいなく【注③】きこしめしなけ
く【嘆く】むらさきのうへにもきしかたゆくさきのことおほ
しいてゝかうやうのためしをきくにつけてもなから
むのち【注④】うしろめたうおもひきこゆるさまをのたまへ
は御かほうちあかめて心うくさまて【注⑤】をくらかし【注⑥】給へ
きにやとおほしたり女はかり身をもてなす
【注① 逃れわびぬる=逃げ出ることが容易にできなくなてしまっている。】
【注② 口入る=言葉をさしはさむ。】
【注③ ひとごとながら】
【注④ 亡からむ後=(自分が)死んだ後。】
【注⑤ さまで(然まで)=そんなにまで。】
【注⑥ 後に残す。】