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【左】
發疹窒扶私豫防(はつしんちふすふせぎかた)の訓(をしえ) 全
押田 俊三述
この頃(ごろ)発疹窒扶斯(はつしんちふす)といふ悪(あ)しき傅染病(うつりやまひ)の流行(はや)る兆(きざし)ある
により吾輩有志(われ〳〵いうし)の者(もの)どもが相議(あいはか)りて中央衛生會委員(ちうわうゑいせいくわいいゐん)な
る東京大學醫學部教授(とうきやうだいがくいがくぶけうじゆ)の三宅先生(みやけせんせい)にその豫防(ふせぎかた)に係(かゝは)りた
る講義(かうぎ)をして聽(き)かせられよと請(こ)ひしにその請(こひ)を許(ゆる)され
ければ過(す)ぐる日(ひ)講場(かうじやう)を本所(ほんじやう)なる江東小學(かうとうせうがく)の内(うち)に開(ひら)きた
りにはもと深川區(ふかがはく)本所區(ほんじやうく)の衛生(ゑいせい)の事(こと)に注意(きをつ)くべき義務(つとめ)
あるものが共(とも)〴〵集(あつま)りて聞(き)かんことを目的(めあて)としたるに
早(はや)くも他方(ほか〳〵)の同(おな)じ志(こゝろ)ざしなる人々(ひと〴〵)がこれを聞(き)き知(し)り當(たう)
日(じつ)講場(かうじやう)に登(のぼ)りて聽聞(ちあうもん)するもの凡(およそ)三百人/許(ばかり)なりき抑(そも)〳〵