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コレクション: コレクション3

. Japonais 180-181 - 翻刻

. Japonais 180-181 - ページ 110

ページ: 110

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参考北條時頼記図会(さんかうほうでうじらいきづゑ)巻三            洛士 東籬主人悠補編    時頼(ときより)憐(あはれみて)_二済田(さいだが)無寃(むじつを)_一顕(あらはす)_二犯人(ほんにんを)話(こと) 逆臣(ぎやくしん)既(すで)に亡(ほろび)国家(こくか)穏(おだやか)なる世風(よかぜ)にして。愁訴(しうそ)対論(たいろん)久(ひさ)しくなく。盛徳(せいとく)の 折節(をりふし)。鎌倉(かまくら)名越(なごし)の切通(きりとを)しといへる処(ところ)に。鰥(やもめ)の婦人(ふじん)あり。夫(をつと)は仁治年(にんぢねん) 間(かん)に没(もつ)し。独子(ひとりご)さへもあらざれば。又/便(たよる)べき一族(いちぞく)もなかりし程(ほど)に。彼(かの)牆壁(しやうへき)荒(あれ) て月(つき)深閨(しんけい)を照(てら)し。屋上(おくせう)破(やぶれ)れ雨(あめ)寝衣(しんい)を湿(うるほす)といふべき容(さま)なり。されどもこの 女(をんな)甲斐(かひ)〴〵しき者(もの)にて。恒(つね)の産(さん)には麻苧(あさを)を賃(ちん)績(うみ)し。又荒布(あらたへ)を洗濯(すゝぎあらひ)し。 平日(つね)に質素(しつそ)を専(もつぱ)らとせしほどに。富(とめ)りとにはあらざれど。又(また)困窮(こんきう)にもなかりしが。 いかなる宿業(しゆくごう)にか有(あり)けん。頃(ころ)は四月/下旬(げしゆん)風雨(ふうう)殊(こと)に烈(はれ)【はけヵ】しき夜(よ)。壱人(ひとり)の男(をのこ)忍(しの) ひ入(いり)。是非(ぜひ)の問答(もんたう)にも及(およ)ばゝこそ。即然(やにわ)に婦人(ふじん)を差殺(さしころ)し。金銭(きんせん)衣服(いふく)を 引攫(ひきさらへ)。なほ物足(ものた)らずや思(おも)ひけん。着(ちやく)せし処(ところ)の寝衣(ねまき)まで剥取(はぎとつ)てこそ立退(たちのき)けれ。