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族(ぞく)を語合(かたらい)隠謀(ゐんぼう)を企(くは)だてらるゝ旨(むね)。人口(じんこう)喧(かまび)【「かまび」は「かまびす」ヵ】し。之(これ)がため鎌倉(かまくら)の人民(じんみん)以(もつて)の外(ほか)
騒動(さうどう)し将軍(せうぐん)にも御驚(おんおどろき)少からず。又(また)此頃(このころ)承(うけたまは)れば。時頼(ときより)に遺恨(いこん)をさし挟(はさ)
まるゝとも聞(きこ)えたり。一門(いちもん)といひ別(べつし)て親(した)しき三浦氏族(みうらしぞく)へ。非義(ひぎ)非道(ひだう)の取(とり)
計(はからひ)身(み)に執(とつ)て更(さら)に覚(おほ)えず。されども兵革(へいかく)を発(はつ)し。人馬(にんば)を苦(くる)しめて。時頼(ときより)を
討(うた)んとせらるゝには。止(やみ)がたき遺恨(ゐこん)ありてならん。其(その)件々(でう〳〵)一々(いち〳〵)申さるべし。若(もし)我(われ)に
非道(ひどう)ありて。陳(ちん)じがたきの事(こと)あらば忽(たちまち)執権(しつけん)を辞退(じたい)して蟄居(ちつきよ)なさむ。
抑(そも〳〵)一家一門(いつけいちもん)の其間(そのあいた)。親睦(しんぼく)を厚(あつ)になすは。則(すなはち)君(きみ)への忠義(ちうき)治国(じこく)の道(みち)。又(また)
一族類家(いちそくるいけ)相互(あいたかひ)に。遺恨(いこん)を挟(はさ)み隔(へだ)つるは。上(かみ)への不忠(ふちう)乱世(らんせい)の機(き)也
所詮(しよせん)時頼(ときより)の身命(しんめい)とも。兼(かね)て君(きみ)に捧(さゝげ)奉(たてまつ)る故(ゆへ)に。君命(くんめい)ならんは是非(ぜひ)なし
といへども。私(わたくし)の遺恨(いこん)によりては。時頼(ときより)より矢(や)を放(はな)たず。しかれども非道(ひだうの)戟先(ほこさき)
は。君(きみ)の為(ため)に防(ふせ)くべし尤(もつとも)時頼(ときより)に於(おい)ては。いさゝか隔心(ぎやくしん)なく。貴士(きし)の返答(へんとう)に
よつて拠(よんところ)なく干戈(かんくは)を動(うこが)すべく。心底(しんてい)包(つゝ)まず明(あか)し申さるべしと。言語(げんぎよ)堂々(よどまず)