Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション3

. Japonais 180-181 - 翻刻

. Japonais 180-181 - ページ 239

ページ: 239

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二ツには。領土有田(れうしゆありた)へ依怙(えこ)なり。其(その)ゆゑは今(いま)先評(せんへう)の如(ごと)く。半(なかば)たりとも領主(れうしゆ)へ 理(り)を付(つく)るとき。之(これ)を能(よし)として愈(いよ〳〵)無懶(ぶらい)増長(ぞうてう)し。終(つひ)に領民(れうみん)の怨(うらみ)を請(うけ)て。甚(はなはだ)し きに至(いた)りては。領民等(れうみんら)か【「か」の右横に◦】為(ため)に。身(み)を害(がい)せらるゝ事(こと)もあらん。左(さ)なくとも天(てん)の責(せめ)を 請(うけ)て。終身(しうしん)全(まつた)かるまじ。今般(こたび)幸(さいわひ)に。領主(れうしゆ)の非(ひ)を挙(あげ)たるが故(ゆへ)。重(かさ)ねて無(ぶ) 懶(らい)邪曲(じやきよく)を慎(つゝし)み。領民(れうみん)を撫育(ぶいく)せんには民(たみ)是(これ)までの無懶(ふらい)無慈悲(むじひ)を謗(そし) らで。却(かへつ)て尊崇(そんそう)を請(うけ)て。其任(そんにん)を全(まつた)くすべし。左(さ)あらばこれ悪名(あくめう)を除(のぞ)き 参(まい)らせたる。某(それがし)が老婆心(しんせつ)なり。しからば一藤太(いつとうだ)よりこそ。引出音物(ひきでいんもつ)は請(うく)べ き筋(すぢ)なれども。小八郎は元(もと)より直(ちよく)にして。些少(すこし)も邪曲(しやきよく)なし。直(たゞしき)を直として 曲(まが)れるを倒(たを)するは天理(てんり)にして。厚配(かうはい)慈恵(じけい)の恩遇(おん)にあらず。いかでか彼者(かのもの) より。一/粒(りう)一/銭(せん)も請(うく)べきの理(り)あらんと打笑(うちわら)へば。老臣(ろうしん)評定衆(へうでうしゆ)も感服(かんふく)し。 倶々(とも〳〵)計(はか)つて遥々(はる〴〵)津国(つのくに)へ彼銭(かのせに)を。其(その)まゝ運送(うんさう)して小八郎へ返(かへ)されけり。 誠(まこと)に物理(ふつり)を能守(よくまも)り。私欲(しよく)を忌避(いみさく)るは。類(たぐ)ひ稀(まれ)なる賢臣(けんしん)なり。鎌倉(かまくら)北(ほう)