Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション3

. Japonais 180-181 - 翻刻

. Japonais 180-181 - ページ 44

ページ: 44

翻刻

能員(よしかず)夜陰(やいん)に病牀(ひやうせう)に参(さん)じ。密奏(みつさう)なすをいをいぶかしと。障子(せうじ)の陰(かけ)に息(いき)をころし。 一伍一什(いちぶしじう)を聞取(きゝとり)給ひ。大に驚(おとろ)き。直(たゞち)に密使(みつし)をもつて時政(ときまさ)に告(つ)ぐ。時政も驚(きやう) 怖(ふ)して。急(いそ)ぎ大膳大夫(だいぜんのたいぶ)大江廣元(おおえのひろもと)を招(まね)き。蜜話(みつは)をなし。猶(なほ)民部入道蓮景(みんぶにうだうれんけい)。 仁田(につたの)四郎/忠常(たゞつね)を招(まね)き。密計(みつけい)を授(さつ)け置(お)き。さて比企(ひき)が方(かた)へ使者(ししや)を以て(もつ)。 仏事(ぶつじ)に託(たく)して能員(よしかず)を。北条(ほうてう)が館(やかた)へまねきけり     小御所合戦(こごしよかつせん)比企兄弟滅亡之話(ひきけうだいめつばうのこと) 比企判官能員(ひきのはんぐわんよしかず)が第(やしき)には。一族郎党(いちぞくらうとう)群集(ぐんさん)して。専(もつぱ)ら軍議(ぐんぎ)をなす折(をり)から。北 条/亭(てい)より使節(しせつ)を以(もつ)て招(まね)きしかば。能員(よしかず)諾(だく)して行ん事(こと)を答(こた)ふ。使節(しせつ)帰(かへ) りて後(のち)。郎等(らうとう)諫(いさ)めて。北條へ向(むか)はん事(こと)をとゞむ。能員/頭(かしら)を左右(さゆう)に振(ふり)。否々(いな〳〵) 我(わが)今(いま)行(ゆか)んは。却(かへつ)て時政に心(こゝろ)をゆるさせ。且(かつ)は亭(てい)の容静(やうす)を窺(うかゞ)はんためなりと。 態(わざ)と従者(じうしや)小勢(こぜい)にて。密計(みつけい)の夙(と)く露顕(ろけん)せし事(こと)は夢(ゆめ)にもしらず。やがて 北條が館(やかた)に入来(いりきた)り。奥(おく)の口(くち)に入らんとする処(ところ)を。思(おも)ひもかけず物陰(ものかげ)より