Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション3

. Japonais 180-181 - 翻刻

. Japonais 180-181 - ページ 90

ページ: 90

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言葉(ことば)をかけ。いかに公達(きんだち)。斯(か)ばかり小夜(さよ)も更行(ふけゆき)て。漁人(きよじん)の往来(わうらい)も絶(たへ)たる浜辺(はまべ)を。 雄々(をゝ)しくも独歩(ひとりだち)給ふは。何地(いづち)いかなる上臈(じやうらう)に。心通(こゝろかよ)はせ給ふらん。いと妬(ねたく)こそ侍(はべ)りけれ。 されど夫(そ)は兎(と)まれ角(かく)まれ。同(おな)じ道(みち)を帰(かへ)らんには。君(きみ)が館(たち)に送(をく)り参(まゐ)らせん。今夜(こよひ)は 月(つき)の清(きよ)けれど。仰指(あれ)御覧(ごらん)ぜよ浮雲(うきくも)の。屡々(しば〳〵)光(ひかり)を隔(へた)つれば。浜松(はまゝつ)が根(ね)にや爪(つま) 突(つぎ)給はん。御手(おんて)を取(とら)させ給へよと。慾念(よくねん)満面(まんめん)に顕(あら)はせば。雪枝(ゆきえ)は驚(おどろ)きその手(て)を 払(はら)ひ。左(さ)やうに浮(うき)たる事(こと)には侍(はんべ)らず。老母(はゝ)の病(いたづき)祈念(いのり)のため。瀬戸(せど)の御神(みかみ)へ参(まゐ)りし なり。さこそは病母(はゝ)の俟(まち)給はんと。心忙(こゝろせは)しく侍(はへ)れば。免(ゆる)させ給へと行(ゆか)んとす。正覚(せうかく) 袂(たもと)を聢(しか)と取(と)り。我(われ)も斯(か)ばかり淫念(いたづらこゝろ)。これまで仮(かり)にも発(いで)ざるに。いかなる因果(えにし)か はじめて見し。衆童(しゆどう)すがた艶々(なよやか)なるに心(こゝろ)動(うご)き。我(われ)にもあらで乱(みだ)れたり。いざや兄弟(けうだい) の因(ちなみ)せんと。帯際(おひぎは)とつて引(ひき)よすれば。雪枝(ゆきえ)は漸(やうや)く其意(そのい)をさとりて。其手(そのて)を取(とつ) て慇懃(いんぎん)に。今(いま)は何(なに)をか包(つゝむ)べき。男姿(をとこすがた)に省(やつせ)ども。実(まこと)は男(をとこ)には候(さふら)はず。これ見て諳(さとり) り給ふべしと。胸(むね)おしわけれ?乳(ち)を顕(あらは)し。凡(およそ)女(をんな)は老若(らうにやく)を撰(えら)はず。三衣(さんえ)法身(はふしん)に