翻刻
【右丁】
渚の錦に云こまかなるは紅のこき色にして染なせしと
おもわる又白きに紅のしほりをうつせしもあり桜海棠の
葩の如し西行の哥にちしほしむなてしこ介にしく色は
やまとからにもあらしとおもふ白色の者をぬれきぬと
云
○石寿#1云状錦介ニ似テ溝壟細ク雑粗ニシテ剌鱗無ク少シ長檜扇
介ノ趣アリ錦介ハ即此雄介ニシテ撫子介ハ雌ナリト云車渠ト
銀杏介ヲ雌雄ナリト云ニ同シ大サ二三分ヨリ二寸余ニ至ル者
アリ文彩班文一ナラス錦介ニ同シ只縦条ノ太細逆鱗ノ有無
ヲ以テ名ヲ分ツ大同小異ノ者ニシテ研究シカタキモノナリ混淆
スベカラス
【左丁】
#2雪斎写
#3雪斎写
三十三#4湿鷺 《割書:渚ノ錦》
○石寿#1云錦介撫子介トモニ白色ノモノヲ云波濤ニ晒変色シタル者ニ
不有生質白色ノ者也大小状形異ルコトナシ色ヲ以テ名ヲ異ニ
スルノミ多ク無者ナリ愛玩スヘシ
【○は朱書】