翻刻
【右丁】
形を合すと同道理なり是拾方の口伝なり尤横糸
の割合又紋の合せ方等条々口伝あるべし
一紋拾の紋形の通し糸長さ曲尺三尺二百二十筋
横経は一尺宛なり
一井筒之中へ懸る篠竹は十二本に六本也十二本は
上六本は下になる尤十二本と六本の篠の間一寸
四五分六本の篠を一側二側と云懸方は前に記
す如く雨降足と屏風の二品なり皆其花紋に依
て是を定る也
絹布名号
一錦は又唐錦とも云/平(ひら)金/糸(し)に五色の糸を入る上品
ほと色数多く入る地合はかた地なり
一金/襴(らん)は繻子(しゆす)地にて平金はかり至て細なるを織るなり
【左丁】
尤金の位によつて上中下あり
一/倭錦(やまとにしき)は堅地にて色糸を織りからみなく裏には浮糸
一面にあり
一/綺(いとにしき)は俗に糸錦と云平綾にて金糸を織不入して
色糸ばかりにて織を云此織方にて花紋の細かきを
莫臥爾(もうる)緞と云
一/唐織(からをり)は一名わた錦と云糸は種々の色分織込むから
み糸なく地からみにて地口一/杼(ひ)に幾杼も色数ほど
幅いつはいに杼を通し裏は皆飛糸に成処わたの
如く厚く見ゆる依之名付る也地合は繻子地又かた
地或はぬめ地にも織る横の色糸はねりぐり糸也
一/木綿錦(もめんにしき)は地合平綾にして二重竪横は何れも木
綿糸竪糸は𥿻にて糸錦の如く織る