翻刻
【右丁】
一/蝦夷錦(ゑそにしき)は極細き捻金糸にて金銀二色織り彩色
色をつくして種々色数を織る地合は繻子にて
模様の処は表より縫取に織からみ糸なし地竪
糸にて表はかりからみ裏は飛糸なり上品は地一杼
之間に捻金二杼宛織るなり
一厚板は地合平綾琥珀にして糸錦の如く引紋にて
織る又堅地にも織る尤二重竪からみ糸あり
一/衲錦(つゞれのにしき)は竪横の糸共に捻糸にて五色又色をつくし
て織る地合は蓆地なり故に竪糸は不見して横糸は
縫取に其模様を織るなり舟の帆木綿の地も衲
地なり
一/緞子(どんす)は繻子地にして染糸にて織る尤からみ糸なく
地からみなり二重緞子は常の緞子の紋の廻りを又外に
【左丁】
杼を一挺通し外色を織込故に二重の名あり尤
同口へ杼を二挺通すなり
一繻子は繻子地にてからみ糸なく紋をは地竪にて
からむなり
一/八糸緞(しゆす)は繻子の紋を不引して織を云
一/繻珍(しゆちん)は繻子地にして伏機なく紋を引故に紋の
上上【注】飛糸なり但し二丁杼四丁杼ある時に紋外
之所を織る時に先に引たる紋の所にて横糸あ
や懸るなり
一/光絹(はぶたへ)素紬(りうもん)諸繒(もろきぬ)縐紗(ちりめん)此四品ともに皆平綾なり
又/加伊岐(かいき)古波久(こはく)波加多(はかた)柳条(ちやう)絹紬紬(けんちうつむぎ)八丈絹
絹布葛布芭蕉布木綿布小倉木綿/奥柳条(さんとめ)
類皆平綾なり
【注 「上」一字衍ヵ。NDLの翻刻本では下の「上」に「マヽ」と傍記】