翻刻
【右丁】
一木機を引込夫より伏機を引通し筬を引通すなり
都合三度に通す也筬を引通し其糸をつまぎの木へ
そくい糊にてよく張付る上を紙にて押へはる也尤
能乾すべし但し元より織付あれは同し綾【注】組なれは
糸をつなぎ引通すなり糸のつなき方はめ字に結ふ
事口伝
一横糸は竪糸の如くなる糸を五本位一筋として織
る也尤生糸也薄糊を用ゆ何機にても能き品は生
糸を横に織る也然も生糸は弱なり強くするには煉
ると知べし花紋に出る所の横糸は煉糸也尤糊なし
一横に幾通りも色を替へ模様織るには横経糸に印
あり是は紋を拾ふ時に印を附る也
一紋を織杼と地を織杼は別に分け置なり
【左丁】
一右の仕方にて地横斗木綿を織り紋へ𥿻糸を織は則
綿錦と名付るなり
一筬柄の掛目は四五百目位也一尺五寸幅筬廿八よみ
なり綾取は十四枚《割書:木ばた六枚伏くせ六枚|からみの綾取二枚なり》筬一目へ竪糸三
本入外にからみの糸一本都合四本入なり蹈竹は
六本地合は大方堅地なり
一ふぐせからみ耳糸ともに不残下坪へ竪糸は引通
す木機は不残上坪へ引通なり
一蹈竹へ綾取の糸を付る事こみ不合様に附るなり
二の木ばた二のふぐせ二のからみは一の蹈竹に附る五
の木はた五のふぐせ一のからみは四の蹈竹へ附る三の
木機三のふぐせ一のからみは二の蹈竹六の木ばた六の
ふぐせ二のからみは五の蹈竹四の木ばた四のふぐせ二の
【注 「綾」は「糸+麦」で書かれているが「くずし字用例辞典」にこの崩しもある。以下同じ】