翻刻
【右丁】
/二枚屏風(にまいびようぶ)を/仕切(しきり)として/嚊(かゝ)
もふとんにまとはれて、/枕(まくら)を
/取(とる)よりはやく/寢付(ねつく)は/昼(ひる)の
くたびれさぞかしと/思(おも)ひやら
れぬ、/男(をとこ)も/宵(よひ)にくどいそび
れ/客(きやく)あしらいに/隅(すみ)と/隅(すみ)はな
れ〴〵の/屏風(びやうぶ)のへだて
/宝(たから)の山に/入(いり)ながら/手をむな
〔月ノ六〕
【左丁】
しくして/此(この)まゝに/寢(ね)てし
まふも/残念(ざんねん)なり/草臥(くたびれ)つか
れて/寢込(ねこん)だる/寢陰戸(ねいり)なり
とも/出(で)かけんとそろ〳〵はい
/寄(よ)り/嚊(かゝ)の/布団(ふとん)へうしろから
ほつかりともぐりこめど/一向御存(いつこうごぞんじ)なきようすしすましたりト
うしろからぐるりとまくてむつちりとぽちや〳〵したる/尻(しり)へ
だきつき/後(うしろ)さまにのぞませたるしたゝか/物(もの)につばきをつけ