翻刻
【右丁】
/身(み)に/入一段(いれいちだん)まんまとやりしまい
「/思(おも)はずうかれてやつてのけたり、さぞおやか
ましからうトいふに「いへ〳〵おもしろい/事(こと)ちやわいなもつと
うたふてもらうてほしいトしきりにのぞ
まれこんとはぐつとふるいびんずるといふ
めりやすで/思ふ
おもわめへだてなくあだ
なる/人(ひと)になでられて/人目思(ひとめおも)ふも 〔月ノ五〕
【左丁】
アゝ々そんじやへト、とう〳〵/嚊(かゝ)の/心(こゝろ)を
とろかしあたつて/見(み)んと/思(おも)へ
ども/何分(なにぶん)にも/気(き)のとおら
ぬ/嚊(かゝ)なればとかくとりつきあしき
/内(うち)あたり/近(ちか)き/山寺(やまでら)の/鐘(かね)だいぶんに
/夜(よ)の/更(ふけ)たる/音色(ねいろ)「もうお/休(やすみ)
と/床敷(とこしき)のべ/客(きゃく)を/寢(ね)
させて/押入(おしいれ)の/隅の/所(ところ)へ