翻刻
【右丁】
地楊梅(ちやうばい) すゝめのやり
向陽(ひあたり)の地(ち)に多(おほ)し形(かたち)
穀精草(こくせいさう)に似(に)て毛(け)
あり春(はる)数茎(すうけい)を抽(ぬきんじ)て
頂(いたゝき)に楊花(やうはい)に似て紫(うる)
褐色(みいろ)の実(み)あり
一種
越中の産(さん)は葉(は)闊(ひろ)
く実は莎草(しやさう)
に似たり春月(はる)
宿根(ふるね)より生し
従(したかつ)て穂(ほ)を抽(ぬきん)つ
一種
越後の産
【左丁】
水楊梅(すいやうはい) はなひりくさ#1
又ときんさうともいふ庭際(ていさい)■(もつとも)#2多(おほ)し小草(せうさう)にて地(ち)に布(しう)#3菊葉(きくのは)に似て
甚 小(ちいさ)く二三分 葉間(はのあいた)に毬(きう)を生す形 楊梅(やうはい)《割書:やま|もゝ》に似て小く白色にて赤
からす味(あしわひ)辛(から)く微(すこし)香(にほひ)あり乾(かわか)して鼻(はな)に吸(すへ)は嚏(くさめ)#4出(いつ)
一種 ふくれうさい#5
ふくれうさうは文政 庚寅(かういん)の年江戸にて初て栽(うゆ)実(み)より生す葉(は)は敗醤(はいしやう)
《割書:をみな|へし》に似て円茎(まるいくき)互生(こせい)し梢(こすへ)に穂(ほ)をなして小毬(せうきう)を結(むす)ふ形 水楊梅(すいやうはい)の
如く初白色後 緑色(みとりいろ)葉(は)微(すこし)毛あり実に《振り仮名:粘り|ねまり》あり#6
#7水楊梅二種 半辺連#8