翻刻
何国の町も頓て八文ましたるかわり力入れずに
手拍子ばかり少しなかひと仲間か憎む又は嫁入
法事の席へゆすりかましく大勢ひつれて祝儀
供養の多少をねたれならぬ在家も手余る噂
されは一々かそへて見れは士農工商儒仏も神
もくときたつれは違ひはあらし天のいましめ
今よりさとり忠と孝との二ツの道を己々か
職分守り常に倹約慈悲心ふかくおごる心を
慎むならはかゝる吾代の変事はあらしかゝる
困窮のあるまひものをされば仏も天道様も
恵み給ふて只世の中を末世末代浪風立す四海
泰平諸色も安く米も下直に五穀もみのり地
震処か町在々も子孫栄へて末繁昌のもと
ひなる惣しためしをあけて語る此身も