翻刻
た在郷村々其数しらずつぶす家数は幾千万
ぞ扨も梁柱や桁に背骨肩腰頭を打れ目鼻
口より血を吐なから遁れ出んと狂気のことく
もかきくるしみつい絶果る手負死人はかき
尽されず数もかきりも有増ばかり親は子を
捨子は親を捨絶へぬ夫婦の中をもいわず捨て逃
出す其行先はほのふもへ立天地は破れて砂を吹
出す水もみあげて行に行れす外内に風ははげ
しく後を見れば火のこ吹立火炎をかむりあつ
やせつなや苦や絶なや中にあわれは手足をは
さみ肉をひしかれ骨打くたき泣つ呼ひつ助て
呉と呼ど招けど遁る人も命大事と見向も
やらす覚悟〳〵とよばわりなから西に東に
南に北に思ひ〳〵に遁るゝ声は実にやきやう