翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

俗語之種. [6] - 翻刻

俗語之種. [6] - ページ 31

ページ: 31

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御物入中〻言語に絶たりける 斯の如く大河一滴の水をもらさす止まる事 既に廿日におよひぬれは此上の大難を被為 思召事社【こそ】理なれ因て西条村開善寺へ《割書:御祈願所|》  御立退の御用意ありけるとかや 《割書:御用意而已ニテ|御立退ハ未有》 乍去 御城より彼の岩倉山抜崩し場所 まては二里に近き事なけれは譬急破の 変化ありとも御注進も不行届かつは人民流 失をも遁るへきためにとて御相図ののろし をそおほせつけられける 四月十三日昼八ツ時頃既に湛場はからすも急破に及ひ 大河を止むる事二十日にして増りし水幅端所に寄ては 二里三里亦は四五里に近く川上より湛場迄は十里 にあまりしとそ然るを暫時に急破して押出す事 所謂大山の崩るゝか如く侍て聞に水の押来る とおもふ者壱人もなく浪にあらす瀬にあらす 其高き事十丈有余にして只真ツ黒く山の如く 雲の如し左右の山〳〵谷間岩名【石?】に打当りあた りはじけ鳴動非類にして幾千万の雷連なりて 落るか如く水煙り虚空にはしけ登り人皆魂を