翻刻
辺りに至れりとそ其地を踏されはしらねとも此の橋場ゟ
穂刈村は川辺を上みに行事一里に近しとそ猶水かさ増る事
数日におよひ四月十三日湛場損して崩れ流れ此橋の流れ
行先を知る者なし後に高井郡なる川辺の畑に経り
三尺長サ拾丈余の材木漂着したりけるは是其橋梁ならん
拾丈余の材木滞る間もなく爰に漂着せし洪水の
おそろしさよ其外数百村の家蔵を押流し或は
損ひ田畑を荒し一切万物水屑に沈み三災変化の
事ともなはす流に譲りし所を見よ可恐〳〵
曰《割書:大橋長サ拾丈五尺広サ一丈四尺東西ニ行袖橋五丈四尺|欄基之高サ三尺橋ヨリ水迄低事三十六尋有余ト云》