翻刻
水内の曲橋なり又久米路の橋ともいひて
流れは犀川の水上みにして西より東に橋を
渡る事五丈有余夫より南へ向ひ大橋を
行事十丈有余にして橋と水とのあへま
十五丈余あるとかや高き橋よりみなきる
瀬音に□たてゝ聞浪のうね〳〵に深?き
青渕たちし恐ろしけたとへんかたもなし
樹木枝葉岩のはさまに生茂り四季折〳〵
の美花咲連木実枝に盛んなりといへ
とも欲して指さす事能わす是を以て
思ふ時は其昔猿の梢を携ひ藤かつらを以
是を渡し初けるゆゑに白猿橋共言といへとも
拾遺集埋れ木は中むしはむといふめれは久米路の橋は心してゆけ
よみ人しらすとあるを此橋の歌【顕?】なりともいへり
可悟【悋?】可憐大地震発して彼の岩倉山抜崩れ
犀川の大河を止む既に翌月六かに及ひて
湛ひし水の嵩りし事此橋より猶高さ
数十丈増れり爰におきていかなる名橋たり共
保つへきにあらされは橋梁浮出し湖水に等しく
充満たる水の面を流れ廻り〳〵て穂刈村之