翻刻!草双紙の世界

コレクション: @chinjuさんと読む草双紙

徳若水縁起金性 / 樹下石上作 - 翻刻

徳若水縁起金性 / 樹下石上作 - ページ 5

ページ: 5

翻刻

とびは天人のひちりめんのふたのを【ふたの=腰巻き】 うをのわたかあふらけの やふにさらつてみたれど とんひとろゝのやうに【とんびとろろ=鳶の鳴き声】 ずる〳〵とのどへはいらねは【鳴き声のとろろと、とろろ芋をかけた洒落】 べんてんさまのみやの のきへ引かけて おきければ 天人のあかひ ふたのがべにの かんばんのやうに ひら〳〵するを ないぢんから べん天さまがみたまひてふつと 一しゆかうあんじがつきべにおしろいを うゑん【有縁】のむすめはもちろんむゑん ほうかい【無縁法界=無差別に】りんきふかひにやうぼうにも いろのくろひ女がゆきのやうに白くなり おたふくのほうが引つこんでゑくぼが あいきやうになるくらひの事なれは あばたやそばかすのよくなるは おちやのこにて丸ぼんに目はなを付た やうなのがうりざねかほのきん〳〵とした しろものになりければしたぢからうつくしい のはおにゝかなぼう〴〵まゆをおくと 十二ひと□□きせても【十二ひとへをきせても】 はつかしくなひきり やうに なり たま【玉揃い=美女ぞろい】 そろひで 御 れい まいりに きたるを べんてん さまは とり あへす 玉そろへの 中へほうしの【ほうしの玉=宝珠玉】 玉をなけて ひろはせ たま らず おもし ろがり  給ふも うつ くしい のは 人 の 目 に  つくものゆへ▲ ▲目のよるところへ たまがよるといふ    御あんじさ【目が寄れば瞳も寄る=似た者同士が集まる】 〽おいらは玉にみとれて玉をひろはすのいけだ 【谷中七福神の弁天社がある「しのばずの池」にかけた洒落】 〽十五とうし【童子】の中ても いたつらなじやう だんものとうのいもの かしらへひぼを【=紐を】  つけておもいれ       じらす 【十五童子は弁天に仕える十五人の童子のこと】 【唐の芋は里芋の品種で宝珠玉の形をしている】 〽かふした     身は ひやうばんの あまのつり舟と きているだろう 【文字通り「海人の釣り舟」に見えるというだけでなく、陸釣り(女漁り)にもかかっている】 〽善こうこんな   にこしが   ふな〳〵して   はすいけへ【蓮池へ】   すつほんと   はまつたら   いゝみせ    ものたぜ 【唐の芋で美女をじらしている童子は善財童子で善公と呼ばれているものと思われる】 なんぼ うつくし くつても おれには みんながへこむ【凹む=負ける、屈服する】 のさとべんてん いつはい にうぬ ほれ でい 給ふ