翻刻
美人(びしん)に沈魚(ちんきよ)落雁(らくかん)の媚(こひ)ありとてうをもしづみ
とりもおちるほどのけいきなものゝ
手かみなけらるゝらくがんや
まつかぜ【干菓子の一種】に弁エベ【?】のみたらしの
うをがうてうてんに【魚が有頂天に】
なつてくわしをばい合
すつほんが大ころはしを
丸のみにしてのどに
つまり目を白く
くろくして
くびを出したり
ひつこましたり
して手あしを
もがきはなし
かめ〳〵と
いわれてはしの
うへにいるやうな
みをすればこいが
いしかげてはなを
つけばふなつこや【つけば、鮒っこや】
めだかははすつはの【メダカは蓮っ葉の】
うへにはね上
られてまごつく
やら大こんざつの
あげくのはてに
けんくわをおつはしめて
水しあい【水仕合】といふしうちをする
【水仕合:俳優が水を浴びたり、水中で演技をすること】
〽だくわしやのかゝァも
だもちやのむすめも
上あんのうまひふう
ぞくになつたうしろ
すがたさかほは
まへの一まいにどれも
うつくしくかいて
あるからこゝでは
そのうしろ
すがたさうしろ
べんてんまへ
ふどう【不動】といふ
あやまる所は
ない〳〵〳〵と
しばいの
おり介の
へんじさ
女
〽わつちらに
せん人が
つうをうし
なつて
ぽちやりと
いけへおち
やうかと
はしのうへに
いるがくろうた
〽これはあの
むすめの
手からくれた
松風【干菓子の一種】わいらに
やつてなるか
〽おどれ
なへぶたの【鍋蓋の】
うへでかうらを【甲羅を】
引つはな
される
な
〽おこし
こめ
を
こつちへ
よこさ
ねへと
どう
中を
引つ
くゝつて
はなし
かめ
〳〵の
うきめを
みせるぞ
【かめかめ:おそらく、亀を裏返して地面に置き、もがくようすを面白がって見る子供の遊びであろう】
〽せんへいを
わたせ〳〵
〽こいつをわたして
なるものか
〽おいらが
たてに
かぐらどうて
きか
きひて
いきな
は中【?】
まち
でも
くればいゝ
女
〽くわしをやる
ふりをして
やらずに
じらして
やろうか
女
〽アレはくてうが
くびをひつたてゝ
わつちらを
みるはな