翻刻
一算法の理日本ニ異り不申候算盤ハ大ひに異り高サ壱尺
計りの紫色の石ヲ薄板に仕木を以てクリ本の儘ト致し
釘の様ナル物にて字を彫付算用いたし候跡にて手を以テ
摺り候得者字皆摺申候
一暦ハ西洋風にて閏月無之春三月夏三月秋三月冬三月
三十日有之月も三十一日有之月も廿九日有之月も御座候
て一年三百六十日四分一に割付/盈虧(ミチカケ)六抱り不申時刻一日十
二時に割り時の鐘も有之候
一銭は銅銭銀銭金銭有之銀銭之小ハ銅銭之六に当り銀銭ノ
大ハ其小ノ十六枚に当り五通り御座候金銭ハ銀銭ノ大の拾枚に
当り通用仕候
一器財類多く硝子を以製し候行燈提灯も皆ビイドロに御座候
衾類皆錦紗にて/閨(ニヤ)ハ狭キ間立切り木にて高サ三尺計の
床を拵ひ其中に縄の様ナル物を幾筋も引渡シ有之其
上ニ衾を鋪き寝申候夏ハ硝子の戸を立切り蚊の這入処
無之蚊帳は用ひ不申候