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其上ニて他に有用の事あらハ試用べし
抑本邦弓を武器の最上となし次に
剱鉾等の兵器を重んせん事を人々知れる
處也然るに弓ハ的前の吟味斗剱鎗も形
の花美を称し何れも華法を崇ひ我
國の武術実用へも全からず我国ニ而一度も
試ミ用し事なき剱付筒を持狐に化されたる
様をなし実用なりと思へるハ何等の
盲昧そや弓も當世の射法を革ため貫
革を第一となし鎗刀も長短軽重の
度を極め試合の達者を専らとなし柔
相撲を以て身躰を堅剛ニなし御狩山
猟にて手足を損し馬も牧士の風に
達者斗を心掛ケ銃砲も是迄用来りし
法を丹練なし餘力あらハ西洋新製の
器をも用ひなば本末兼備るとも云へき也
自国の実用全からず夷賊の真似ニ心
術を奪ハる狐狸に魅せられしと同様也
一去丑年亜米利加船浦賀江乗入し節打
拂ハさるハ遺憾也去なから其頃浦賀御番
所には六貫目玉の筒二挺同玉も五ツ六ツ
合薬も少し斗有しと也其上押送り船
ニ艘ならでハ是なしと云成程打破る事
ならさるも尤也扠其後横濱ニて應接の時
し組て突殺さゝる事実に千載の遺
憾也其策をもなさんと云し人も有と聞