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翻刻
命し洋学をなさしむべし彼か国風
を知り我益となすへし然るに大学の素
読も出来ず刀の柄の持方もしらぬ人々西洋
の書を讀宇宙の間に是程尊き教ハなし
と思ふ也中には武術は痛し学問は猶更
六ケ敷て出来す西洋流ハ骨折れす知れる人
稀なれは是にて己か拙劣を掩ふの道具
となす者往々是あり洋学は儒官の内ニ而
学はせミたりに横文字の書を所持する
事を禁し西洋法を軍事に用るべか
らすと云令下りなば天災も消滅し
年々豊熟して
御代萬々世天地と共に無彊なるへし
一諸国寺院の梵鐘を大砲ニ鑄換る事時務
を知れる良策に似たれとも甚敷大害あり
京都より何ケ度仰越るゝとも御辞退有度
事ならずや只今始りたる事にもあらざる
夷國の防禦に大砲不足を云事
征夷大将軍の乍恐御恥なり其上大砲の数
斗多くとも用度を省き麁末の造法に
ては発砲の時破烈すへし大砲の数多か
らすとも鑄造精密ニて練熟の士を用ひて
打放させん事を要とす数萬の大砲有ても
製法も堅牢ならず不練之兵卒蝟集して
火薬を取扱ひ一旦過失あらハ我軍士を
損すへし且又寺院の鐘古物を除候共何れも
人民の力を合せて造出せし物なれハ万民の