翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

麗斎叢書. 20 - 翻刻

麗斎叢書. 20 - ページ 29

ページ: 29

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思ひの凝結するもの也御国の為と思ふべし とは尤のよふにも聞ゆれ共百姓耕作して 武士を養ひ武士ハ倹素を守り兵器を備へ 乱を鎮むる事當然也飲食と婦女子の 為に器械をも備へす事有時に下民共の 些力の銭を集め寄進せし古物を鋳潰す 事言語に絶たる事ならずや昔大佛の鐘を 板倉伊豫守重宗か令して銭に鋳直せしニ 数萬の老若男女か見物して扠も勿体なき 事哉と一同に佛名を唱へければ鋳爐(タヽラ)にて 骨折しても鐘は鎔(トケ)さりしとて其時重宗 鐘に小便を仕かけ見せければ衆人鐘の方を ば忘れ重宗の所業を悪ミ一念重宗ニ移り しかば鐘は一時に湯に成しと也重宗の 活機実に感服するニ堪へたり又近頃有高 貴の人領内の寺院の梵鐘佛像迄も鋳潰し 大砲に造られし事あり佛に淫するの流 弊を一洗し僧侶の悪風を矯直す良方 大英雄の所業と云へき也人の善行ニ倣ふハ 美事なれとも時勢をしらされば行ハれず 第一十四五年も以前ハ夷船の風聞も有し かとも世間にてハ一向心も附さる程の事なり 此時には目覚る厳厲なる政も民心の怠りを 革むる良方也當今ニてハ表向には 上を恐れもすれは邊境民心穏ならす其民 心動揺する処 上にてハ由緒ある古物時の