翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

麗斎叢書. 20 - 翻刻

麗斎叢書. 20 - ページ 91

ページ: 91

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 蔵やしきに押入蔵守る士足輕ともうち  倒し千石余りの米ぬすミ取しか此頃  大方は捕ハれしと云ものありき五日の  しのゝめに品川の州崎にて津波々々と  呼るものありしかはすはハやとて我も〳〵と  山邊にのかれゆきしかハかの津波と呼  わりしおのこの心静かに人の家に押入  物奪ひ船にて去つるもありしとかや沖に  おろせし米船も三処よところ火かけられたり  白刃もておひやかされ黄金奪ハれしものも  少からさりしよし 剰へ今年春の半にかたしけなくも 天朝より寺々の鐘鉄砲に鑄改め夷防く 用にせよと詔玉ひしをとかたして長月の 盡る日 将軍より寺々へ下知し玉ひしか 幾日もあらてかゝる災ひありしほとに法師 とものところ得顔に佛のもの奪玉ハんと せしゆへなと云もて行愚かなる下さまの 公の政うらミ奉るも少なからねは彼昔人の 云の葉むなしからましかハといとおそろしう おもふものから半はかたむきたる旅のやとりに くつれたる壁のそこより筆硯取出てと もし火のもとにしるし侍るになん