翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

麗斎叢書. 20 - 翻刻

麗斎叢書. 20 - ページ 90

ページ: 90

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かゝる時なん人の心のよしあしもおのつから いちしるしくてふたむね並ひたる蠟燭商ふ 家のひとりハくつれひとりハ残りしか残り つる家にて蠟燭ミな施せしもあり十もと はかり束ねたる葱を鐚三百文なりとて 街のものに打ころされし商人もあり草 鞋粥薬施こす家もすくなからて吉原 の里なる佐野槌といへる家の黛とか云 遊めハ救ひ小屋なる人々に土もて造れる 鍋ひとつ宛施し仙臺の御家ニてハ其屋 敷のほとりなるものに米ひと俵宛下し 玉ハりまし川瀬新石町の川邨とか云る 冨る家ニても其ほとりの賤しきものに精米 二斗宛ほとこし我しれる村上寛斎と いへるくすし二日の夜其身もうつはりに おしたほされしか板しきうち放し辛く してのかれいて又内に入草鞋取出ておのか 家の燒るもかえり見ず疵薬施し歩行 たるなとなさけ深きふるまひなるに深川 の蛤丁とかや罪ありて佐渡に流されたり しをひそかにのかれいて来りすミしもの ありて迚もなき身とおもひけん妻子うし なひ家居やかれつるものとも六七十人さ そひうこかし松平総州の御家なる