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かゝる時なん人の心のよしあしもおのつから
いちしるしくてふたむね並ひたる蠟燭商ふ
家のひとりハくつれひとりハ残りしか残り
つる家にて蠟燭ミな施せしもあり十もと
はかり束ねたる葱を鐚三百文なりとて
街のものに打ころされし商人もあり草
鞋粥薬施こす家もすくなからて吉原
の里なる佐野槌といへる家の黛とか云
遊めハ救ひ小屋なる人々に土もて造れる
鍋ひとつ宛施し仙臺の御家ニてハ其屋
敷のほとりなるものに米ひと俵宛下し
玉ハりまし川瀬新石町の川邨とか云る
冨る家ニても其ほとりの賤しきものに精米
二斗宛ほとこし我しれる村上寛斎と
いへるくすし二日の夜其身もうつはりに
おしたほされしか板しきうち放し辛く
してのかれいて又内に入草鞋取出ておのか
家の燒るもかえり見ず疵薬施し歩行
たるなとなさけ深きふるまひなるに深川
の蛤丁とかや罪ありて佐渡に流されたり
しをひそかにのかれいて来りすミしもの
ありて迚もなき身とおもひけん妻子うし
なひ家居やかれつるものとも六七十人さ
そひうこかし松平総州の御家なる