翻刻!草双紙の世界

コレクション: @chinjuさんと読む草双紙

怪談御伽童 5巻. [2] - 翻刻

怪談御伽童 5巻. [2] - ページ 5

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心の浅(あさ)からぬゆへと思ひとりて無下に情(なさけ)なくもも てなさず親(おや)の為(ため)には君契情(きみけいせい)に身(み)を売(うり)ても孝(かう)を つくすこそいみぢからめとさのみつらくももてなさ ずいつとなくふかき中とはなりぬ元来(ぐはんらい)此五平次よく ふかき性得(しやうとく)にて行(おこな)ひ不道(ぶとう)に博奕(ばくゑき)を業(ぎやう)としてし かも其(その)術(じゆつ)に妙(めう)を得(ゑ)て近年(きんねん)田畑(でんばた)を数多(あまた)買(かい)求(もと)め 家僕(かぼく)多(おふ)く召使(めしつか)ひ家(いゑ)富(とみ)奢(おごり)に長(てう)じ妻(さい)有ながら 妾(せう)二人迄 抱(かゝへ)置(おき)けりかゝる名聞(めうもん)利欲(りよく)にふける者(もの)故(ゆへ) 貧(ひん)家の娘に慕(した)ひよりて金銀(きん〴〵)を費(ついや)す事大き なる損(そん)なりと思ひめぐらし浪人(らうにん)へ遣(つかわ)したる物(もの)とも 取(とり)戻(もど)したき気(き)も出来(てき)最初(さいしよ)は此娘ゆへならは 命(いのち)をも打捨(うちすて)なんと一 途(づ)に思ひ込(こみ)し渕(ふち)今は 瀬(せ)とかはりはてかれ〳〵に成りけるを娘うらみわ びて書こしける文さへ見るもうるさくて そのまゝ打捨 置(おく)程(ほど)になりけるこそあさまし けれ此浪人の所持に左文字(さもじ)の刀(かたな)ありかく落(おち) ぶれたれ共此一 腰はたしなみ持けるを五平次い つの間に見置けん浪人へすゝめ此刀を売(うら)せ 其代金の中にておのれか合力(かうりよく)せし物共引取 らんとぞたくみけるに其頃此国の守(かみ)の家士(かし)の