翻刻
さるへからす琉球事略はおもふに一時御下問等の事あるによりて
草卒に筆記□□進呈せられたるが其国王歴数等遺漏もありけれは
後さらに改め正して南東志をは撰はれしものならん歟高野山事略
はかの一山学侶行人等やゝもすれは訴論を起し上裁を仰ふく事絶
えさりけれは是等の事によりて豊公以来近世に至るまて略(ホヾ)その来
歴を摘要して奉れるものなるへし然して此五種を以て一部として
五事略と題号せることは先生在世の時よりしてしかりや又は後人
の伝写輯集せるものたま〳〵此五種をとり束(ツカ)ねて私にしか名つけ
たるものなりやをしらす今数本を合せ校して其善きものを択ひて
これにしたかふといへとも全璧と見ゆる善本あらされは猶或は脱
誤或は攙入等の謬なからんこともまた必保ち難し視る者請ふこれ
を諒せよ
一殊号事略の末に附せる朝鮮聘使後議は彼国と修信交際の事につき
て別に意見を述へられしものにて元来此事略に属せるものにはあ
らされとも其事の相関係せるもの多きを以てこれを殊号事略後編
として附載せる本往々これあり因て今又これを附す
一外国通信事略の跡に記載せる処の古来長崎互市の為に舶載する外
国物産は諸本これを載せさるもの多し恐らくは後人の増補せるも
のならんか《割書:三才図会等に載する処|大同にして小異あり》しかれとも数本の内これを載せたるも
又少からされはもし誤ちて粗に失せんよりは寧 ̄ロ精に失せんとて今
これを記載す
一原書本文の下に分注せるもの今其活字殊に細小にして極めて読者
の眼を労せんことを恐るゝか故に本行にならひて一字を抵書す但
其短かきものは尚旧に依て分注とす