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の前日にすまふの儀式を行ふ。是を地取といふ。先行司出。穢をし
て清め。神拝を成し。土俵の上を祭る此礼故実有畧之扨土俵
入すミて勧進三方より一人と寄方より一人出て双方相撲
を合す《割書:無言にて|是を勤む》一番ハ勧進方一番ハ/寄方(よりかた)と勝をわくる此日
行司団扇をもたず。右側に寄り幣を用ゆ。又左右《割書:今ハ|東西と云》の
/桟敷(さじき)一軒宛/注連(しめ)縄を/張(は)り/清菰(すがごも)を敷神の桟敷とす。行司
此所にかしづき居て。相撲取一人/宛(づゝ)に/黄色(わうしゃく)の/幣(へい)を/頂戴(てうだい)さ
せ。土俵へ出す左右とも儀式これに同じ。此日ハ一式神事なり。
二番合すすまふを/俗(ぞく)に/神(かミ)相撲といふ。是手向なり。本式の儀。
式ハ至てむつかしきことにて近来ハ次第に畧式をもち
ゆるやうに成たり
/褒美起(ほうびのおこり)附/弓弦(ゆミつる)/扇子(あふぎ)/配当(はいとう)
勝相撲に弓を渡す起りを尋るに元亀元年二月廿五日織
田信長公。江州堂楽寺におゐて。国中の角力取を召あつ
め給ひ。勝負を御覧有けるに。宮居眼右衛門といへる者につく
相手なかるけれバ御/褒美(ほうび)に御/秘蔵(ひぞう)の/重藤(しげどう)弓を賜りける
是/濫觴(はじめ)なり。此御弓ハ山城国伏見住嶋田喜内といふ古今無
の/上手(じやうず)と/賞(しやう)せられし名人の/製作(せいさく)なる其以後眼右衛門相